スローライフ
question:1100481252
この質問に対する直接的な答えを見出せなかったけど、思うことはたくさんあります。
直感的には、どうも高度経済成長時代の幻影をぬぐえないでいる、と思ったりします。景気が良くても貧しかった時代、より多くの収入を得ること自体が原動力になりえたと思うのですが、じゃぁ、今は不景気だけど貧困にあえいでいるか、というとそんなわけでもない。一人身ならフリーターでも、そこそこに食べていけるし、逆に、そこそこ食べていけるからこそ、自分が本当に好きなことをやるための時間のほうが大切、という考えが、今の若者に広がっている価値観じゃないかなぁ、と。
金銭的に裕福になることが絶対的な価値観だった時代は既に終わりを告げているけど、実際の社会(というか企業)は今もなお、金銭的な価値観に重きをおいている。
今でも、金銭的な面は大きなポイントにはなると思うけど、かつてのような「お金持ちになって裕福な暮らしをする」という目標は成り立っていないんじゃないかなぁ。「フリーターなんかしていて、おまえは将来どうするつもりだ」と言われても、ちゃんと働いても年金もらえるかどうかわからないし、だったら今という時間の方が大事、ということになりかねない。
よく「成果主義」だの「実力主義」だの言っている企業は多いけど、その中身が「怪しい」ことは、ちょっと経験を詰めば分かってしまう。「あなたの実力次第で...」などと言っているアウト・ソーシング会社は多いが、じゃぁ、50 歳になったら仕事があるのか、ということに対して「実力があれば...」とお茶を濁すのが実態でしょう。事実、あるアウト・ソーシング会社の人に、率直にこのこと(50 歳になったら...)を聞いたら、年をとると仕事がなくなることを認めました。実際に人を「借りる」側にすれば、年齢を見ただけで候補からはずすのが常でしょう。部屋を借りるときだって、とりあえず築年数を見るのと同じ。実際にその部屋がきれいかどうか、というのは、メンテナンスの仕方でぜんぜん違うのが分かっていても、とりあえず築年数でふるいにかける。
年金の話もそうだけど、基本的に「年をとると、ろくなことがない」といった空気があって、それが自分自身の努力では、どうにも解決できないように見えるから、余計に刹那的になってしまう。フリーターとして生きるのも、年収だけで転職するのも、結局、「将来」に期待できないから「今」を大切にしよう、という流れじゃないのかなぁ。結婚しない、子供を持たない、なんていうのも、ある意味、「将来」に対して安心できない社会が拍車をかけているんじゃないかなぁ。
ということで、この日記のタイトル「スローライフ」。そんな世知辛い世の中から離れて、もっと人間らしいリズムで生きる、というライフスタイル。そういう生き方をしたい、と思っても、これまた半端な気持ちでは飛び込めない。とかく日本は「敗者復活」が難しいお国柄。一度ドロップ・アウトしたら、二度とメイン・ストリームには戻れない。
...結局、今年も年末ジャンボに人生を託す(^^;