Winbiff の終了

今年の 1/ 5 付で、3/31 をもってWinbiff の開発、および、販売終了がアナウンスされた。このアナウンスには後継ソフトが開発中であることも含まれていて、ここ数年、立ち後れが目立ってきた Winbiff が一新されることに、期待感があったのだが、半月ほど前に、後継ソフトは Web メールソフトであって、個人が使うような PC 用のメールソフトは、現時点では一切考えていないことを、オレンジソフトの日比野さんがメーリングリストで明らかにした。

元々、Winbiff 自体も企業向けを意識していた商品だった。Winbiff が登場したころは、まだ Windows 3.1 の時代で、個人で常時接続の環境は皆無だった時代に、PC に常駐してメールをチェックし、新着メールがあればその事を伝える、といった、従量課金のダイアルアップ接続には全く不向きなソフトだった。また、imap にいち早く注目したのも、企業ユースを意識してのことだった。

自分も当時勤めていた会社でネットワーク周りのお守りをしていた時に、この Winbiff を周りに勧めていた。Winbiff は新着メールのチェックをしているソフトと、メールの読み書きをするソフトが分かれていて、常駐しているのは新着をチェックする小さなプログラムであり、非力な PC でもリソースを食わずに常駐させることができる点が、大きな魅力だった。あと、当時はファイルを添付する方法として、複数のエンコード方法が使われていて、uuencodeMIME-base64、BinHex の3種類に対応していた点も魅力だった。

以来、15 年に渡って Winbiff を使ってきた一ユーザとして、今回の発表は、非常に残念だった。

使い続けることは可能であっても、開発の終了したソフトを使う気にはなれない。後継ソフトも、原理的には PC にインストールして使うことも可能だが、基本的にはサーバに入れて使う物。使っているソフトに不満があって、魅力的な別のソフトがある、という状態での乗り換えなら苦にはならないが、気に入っているソフトから、こういった形で乗り換えを余儀なくされるのは寂しい。年に1回、クリスマスになると、新着メールを知らせる郵便屋さんのイラストが、サンタクロースの格好になるのが楽しみだったのだが、それが見られなくなるのも寂しい。

今のところは、会社で使っている ThunderbirdSylpheed を試用中。メール自体はおうちサーバの imap にあるので、メールの移行作業なしに試せるのはよいが、どっちも微妙に不満。軽さでは Sylpheed が良いんだけど、操作面では、Thunderbird の方が会社で使っている分だけ慣れてはいる。

いずれにしても、切ない思いのする乗り換えだなぁ。