現在の経済と、学問の中の経済

ソフトウェアの世界でも、学問と現場の乖離があって、なんて話を書いたけど、近頃気になっているのは、「経済学ってどうなんろう?」

行動経済学 経済は「感情」で動いている (光文社新書)

行動経済学 経済は「感情」で動いている (光文社新書)

本屋で見かけて思わず買った本なんだけど、経済学の中に「行動経済学」という分野があって、それまでの経済学(この本の中では、区別するために「標準経済学」と呼んでいる)が仮定している「経済人」と、実際の人間の行動が合致していないことが、どんな影響を及ぼすかというもの。

経済人 - Wikipedia

この「経済人」が、正直、あまりにも実感とかけ離れた「仮定」で、もし、これが大前提となって今の経済理論が構築されているとしたら、現実の経済をどの程度説明できるのか、という疑問が大きくなってきた。

ジョークとして、

経済評論家として成功したければ、自分の主張を曲げないことだ。景気が良くなる、と言い続けていれば、いつか良くなるだろうし、様々な数字から「良くなった」と主張することもできる。

という話があるけど、「行動経済学」と「標準経済学」の話を聞くと、学問としての経済学は現実の経済を説明できるレベルに達していないのでは無いか? という気がしてくる。

ましてや市場原理主義のように、市場に任せていれば適切な均衡状態が作られる、と本気で思っている人は、この1ヶ月ほどの世界経済の混乱をどう説明するんだろうか。たぶん、いろんな言い訳を付けて、これは例外的な現象だった、というのだろうが、そんな言い訳が通じるとしたら、経済理論になんの意味があるんだろう、とすら思う。

自分自身は経済学は門外漢なので、専門家から見たら的外れなのかもしれないが、専門家の人が自分みたいな一般人に、今の経済に対してどんな説明をするのか、一度、ちゃんと聞いてみたい。