CentOS 6 の遅れは Dag Wieers のせいではない
立て続けに、私が以前に書いたネタに関する記事がありました。
ボランティアのオープンソースはもうだめか | 日経 xTECH(クロステック)
この記事にはいろんな疑問がありますが*1、CentOS 6 の遅れの原因として Dag Wieers が抜けた事を上げているのは事実誤認です。
この記事で挙げられてる Dag Wieers のブログは、centos-devel の購読をやめたタイミングに書かれたものです。これを、「CentOS プロジェクトからの離脱」と読み間違えているのは、過去にもありました。
2011年5月17日 CentOS 6.0は本当にリリースされるのか?─メイン開発者の離脱が意味するメッセージ:Linux Daily Topics|gihyo.jp … 技術評論社
そもそも、Dag Wieers と言えば、CentOS プロジェクトではなくて、rpmforge*2でしょう。
私が前に書いた記事でも書きましたが、本人のメールによれば、2年程前にチームを離れています。
It's been almost 2 years I left the CentOS team because I couldn't defend the CentOS project anymore.
つまり、CentOS 6 の開発が始まった時には、既に Dag はチームを離れています。
今の CentOS プロジェクトに問題が無いとはいいません。個人的には、CentOS 6 のリリース時に言われていた、CR Repo と呼ばれる、QA のチェックを待たずにパッケージをリリースするリポジトリに関して、その後、何の音沙汰もないことに苛立ってます。この CR Repo が 6.0 から 6.1 の間を埋めるものとして期待していたのですが、6.0 リリースから1ヶ月が経とうとしているのに、ほとんど話題にも上がってこない事に、CentOS 6 遅れの悪夢の再来を感じてしまいます。
にしても、いったい誰が、CentOS 6 の遅れを Dag が抜けたせいだ、と言ってるんだろう.....。