「最近のインターネット法律問題」 - 町村 泰貴さん

北海道大学大学院の町村 泰貴さんから、ネット関連でここ数年、話題になった事案に関するお話でした。

ステマ騒動やコンプガチャの問題など、いろんな出来事に対して、法律的な観点から見ると、という話なのですが、現状の法律に照らしてどうこう、というよりも、「これって何が問題なの?」という感じの話でした。

例えば、ステマの問題も「で、だれが被害者?」と考えると、「これは大変な被害だ!」というものは、実は無いかもしれない。食べログの件なんかは、強いて言えば、近所のお店は競業関係にあるから、やらせ口コミのせいで被害を、かと思うと、行列が出来たおかげで、かえってお客さんが入ったかもしれないし、実際にそのお店で食べた人から「まずかった」という話もほとんど無かった、となると、単に「だまされた!」という気分だけで、具体的な実害は見あたらなかったりします。

コンプガチャの問題では、広告以外のインターネット・ビジネスモデルをつぶすことになった、という事を言われることはあるし、同じように射幸心を煽るものなら、パチンコはどうなんだ、という話はあるけど、でも、射幸心の問題があるから、パチンコは風営法で出玉確率を制限したりしているわけで、コンプガチャにそういった規制無しに「出現確率が全く分からない」状態というのは問題だろう、といったお話がありました。

これはひどい、と騒がれた事件でも、一歩引いて考えてみると、微妙な問題が含まれているんだなぁ、という事を実感しました。