CR Repo を有効にするのは常識?

7月に RHEL に8ヶ月遅れで 6.0 でリリースされた CentOS 6.0 ですが、6.0 リリースから4ヶ月近く経っても、6.1 リリースの話は聞こえてきません。RHEL 6.1 がリリースされたのが米国時間で 5/19 ですから、もう少しで半年になります。

CentOS としてのリリースタイミングと、先行する RHEL でのアップデートパッケージの間を埋めるために、CR Repo(Continuous Release Repository)というのがあります。デフォルトでは有効になっていませんが、CR Repo を使えるように設定するためのパッケージが用意されていて、

yum install centos-release-cr

とすれば、以降、CR Repo からアップデートされたパッケージが取得できるようになります。

参照:AdditionalResources/Repositories/CR - CentOS Wiki

Ver.5 系に関しては、8月に CR Repo が登場*1。その約1ヶ月後に 5.7 がリリース*2され、Ver.5 系の CR Repo は役目を終えました。9月下旬には、アップデートの案内が Johnny Hughes から出されるようになり*3、Ver.5 系に関しては平常運転に戻った感じです。

それに対して Ver.6 系は、9月の終わりになってようやく CR Repo が登場*4しますが、6.1 に関して芳しい話題はあまりありません。9/1 に QAweb 上で 16 個のパッケージに問題があり、まだインストール可能な物は QA チームには無い*5、という話があったぐらいで、進んでいるのか止まっているのかもよく分からない状態です。

そんな中、Karanbir Singh の tweet で気になる発言がありました。

http://twitter.com/#!/kbsingh/status/122225648591835136

@dfrg_msc if you have 6.0CR enabled ( you should ), then you already have 6.1

この発言は 10/7 ですが、Karanbir Singh が CR Repo を使う事を推奨しています。

確かに、CR Repo を有効にしていれば、実質的に 6.1 と同じ事は分かります。ただ、「you should」の部分が引っかかりました。CR Repo のアナウンスの文章には下記の記述があります。

Baseurl for the CR repo is set to only use centos.org internal machines, this is to reduce the amount of time we need to spend in seeding and then managing external mirrors.

リポジトリのあるサーバとしては、CentOS プロジェクトのマシンのみが示されていて、通常のリポジトリのように、協力者のミラーサーバは含まれていない事になっています。

それでも Karanbir Singh としては「CR Repo を使ってくれ」と言っています。

最近になって、その CR Repo を正式に格上げする動きがありました。

[CentOS-devel] moving the CR repo into mainstream release

We are still in the early days of CentOS-6, and perhaps a change in policy at this time might be acceptable. I'd like to propose moving the CR repo into the mainline repos. So the change I'm proposing is :

  • to have a /6/ release that is always updated.
  • to have the /6.X/ releases that are contained to within that point release

リポジトリを「/6/」といった具合にメジャーバージョンのみのものと、「/6.X/」といった感じのマイナーバージョン付きのものに分けて、メジャーバージョンのみのリポジトリは、CR Repo のように、どんどんアップデートパッケージを入れていく、という話です。

このメールに対しては好意的な反応が多く、私自身もそれで良いと思う一方、今の感じでずるずるとポイントリリースが遅れるのであれば、RHEL に対する「検証用」としては使いづらくなるような気がします。

でも、何が 6.1 のリリースを妨げているのかが見えない状況、というのは、何とかならないかなぁ。Karanbir Singh が

http://twitter.com/#!/kbsingh/status/118442988702670848

Dear Red Hat, when you release stuff, do also release the other bits of code that this particular package has hard Requires on. Thanks

とつぶやいているのを見ると、RHEL が Ver.6 以降、クローン OS を作る上で面倒な事が増えたのは事実なんだろうけど、だからこそ、情報をオープンにして、協力者が参加しやすい環境を作るべきでは、と、プロジェクトの外の人間としては思うのですが...。